

懐かしき未来
アメリカの超大手時計メーカーだったブローバ。
現在こそ日本(シチズン)資本になっているが今もアメリカに本社を持つアメリカの魂と言える
アメリカ初のラジオ広告を出したりアメリカ初のテレビ広告を出したり
世界初の音叉腕時計を発売し後に親会社となるシチズンと技術提携すると言うなかなか皮肉めいたことをしたり
アポロ計画の時はオメガスピードマスター、ロレックスコスモグラフ(諸説あるがトライアルに参加したがオメガに敗れた事を汚点として参加した事自体をなかった事にしているらしい)などと共にトライアルに参加し敗れたが据え置き型をアメリカ企業と言う事で強引にねじ込んだりwアメリカの時計産業を支えた巨人である。
最新技術をやたら取り込むところも特徴でクォーツ腕時計開発もかなり早く始めたが日本のセイコーに先を越されたどころかかつては市場規模では格下だったスイスにも後れを取った
デジタル腕時計の開発もかなり初期から始まっていたものの世界初は1973年、よりによって同じアメリカのハミルトンパルサーに持っていかれた他、セイコーやスイス勢(ジャガー・ルクルト、オメガなど)にも負ける始末
1976年ようやく完成したのがコンピュートロン
最初期のデジタルウォッチが多く採用したLEDによる表示方式を採用したが電子技術は日進月歩
すでに日本などは現在も主流のLCD式の液晶が登場しており明らかに時代遅れであった
アメリカは当時77社もの企業がデジタルウォッチ市場に参入していたがそのほとんどがいまだにLED方式だった。(かつてはスイスをも潰しかけたアメリカ時計産業はこの頃崩壊することになる)
しかしブローバは遅れすぎた技術のフォローをそのコンセプトで相殺
斜めに取り付けられたLED液晶とそれまで見たこともなかったぶっ飛んだケースデザインを持ってドライバーズウォッチとして売り出す。
これが大当たりで大ヒットを飛ばすことになる。
未だに77社から大量に発売されたデジタルウォッチの中でもハミルトンパルサーと共にアメリカのデジタルウォッチの代表格として挙げられる
車の運転時の使用を想定してデザイされているがその結果やたら未来的なフォルムとなりスペースエイジとかレトロフューチャーと言った言葉がしっくり来まくる当時思い描いた懐かしき未来を感じられる。
そんなコンピュートロンだが現在復刻版が発売中
ブローバが様々な復刻版を作る企画を行うにあたりユーザーに投票してもらおうと募ったらぶっちぎりでトップを取ったのがこのコンピュートロンw
LED液晶も現代の技術を使い省エネ仕様に変更(常時表示じゃないのでアホみたいに電池寿命が長いw)
クォーツムーブメントも決して優秀なものではないがそれでもオリジナル発売時の物に比べると桁違いに高精度。
オリジナルコンピュートロンが発売された当時思い描いた未来が到来したら本当にそのスタイルで蘇ってしまい見事懐かしき未来を実現してしまったブローバ。
良きブランドです
コメント
めちゃくちゃ面白いまとめですね
ブローバの歴史をこうして辿ると、本当に「アメリカ時計産業の縮図」みたいな存在だったんだなって実感します。
@伊藤1220
かつてはスイスよりも巨大な世界市場を持っていたのがアメリカです。
今ではアメリカ腕時計市場黄金期を体験した企業はブローバ(日本資本)とハミルトン(今はスイス企業)タイメックス(当時ウォーターベリー、インガーソル)ぐらいしかないのがさみしい限りです。
しかもこの中で未だに純アメリカ企業は安い時計しか作っていなかったがその代わりやたら生産量が多かったタイメックスしかないと言うのが実にアメリカンですw
この形ブローバなんですね!
@ぴよ太郎ブレゲ
ブローバが最初期ですね。その後いろんなブランドが出し始めます