セイコーエクストラフラット
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セイコーエクストラフラット

当時としてはセイコー最後のスモールセコンドムーブメントと言われた新10B型ムーブメントを搭載したセイコー最後のスモールセコンド腕時計。(後年スモールセコンドムーブメントの新型が出てくるがそれは数十年後の話)
発売は1956年
すでに国産初の本中三針、スーパーが存在しエクストラフラットの数カ月後には傑作マーベルが出ると言う状況で発売された
セイコービンテージ好きには当たり前の話だがこの時代セイコーには亀戸と諏訪と言う2つの工場がありそれぞれが独自に腕時計を作っていた。
亀戸はレディース向けモデルを得意としていた他スモールセコンドムーブメントを戦前から作っていた。
対する諏訪は革新的なムーブメント開発を得意とし、前述した国産初の本中三針ムーブメントを開発したり、異常なほど精度にこだわる傾向にあった。
戦後すぐに亀戸はスモールセコンドムーブメント新10B型を開発し紳士用腕時計はほとんどがスモールセコンド機だった(出車を付けてセンターセコンドにしたモデルもあったが)
対する諏訪は1950年に本中三針のスーパーを発売。
そして1956年にスイスと戦えるレベルまで作りや精度を高めたマーベルを発売。
マーベル生産の為にスーパーの生産設備を亀戸に譲渡しスーパーの改良型ユニークを1957年に発売する。
そのつなぎとして発売されたのがエクストラフラットである。
亀戸の本中三針機はユニークを皮切りにローレル、クロノスと続くのだがユニーク、ローレルは諏訪から譲渡された生産設備で作るいわばお下がりでありこの当時純粋な亀戸製はエクストラフラットしかなかった。
完全にムーブメントの在庫処分みたいな感じで出された時計なので人気もなかったし、主力にもならず亀戸セイコーのマイナー機と言う存在だが何故かシチズンが同じ名前のシチズンエクストラフラットと言うスモセコ機を作ったりオリエントもウルトラフラットと言うスモセコ機を同時期に発売しており他社へ影響を与えていたりする(在庫処分と言う手法かもしれんがw)
当時の流行に乗ってビッグケースと呼ばれる大柄のケースを採用したり耐震装置を搭載したりと古き良き時代の腕時計を現代(1950年代後半)でも通用するようにリメイクした感じの腕時計で自分のお気に入りの1本だったりするw

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投稿者

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コメント

  1. GMT-Master10 GMT-Master10

    「自分のお気に入りの1本」というところに共感しました。知る人ぞ知る存在こそ、ビンテージの醍醐味ですね!

  2. モントーヤ モントーヤ

    「エクストラフラット」は、セイコー史のなかでは完全に“つなぎ”かつ“在庫処分”的な存在なのに、なぜか他社を刺激してシチズンやオリエントまで追随しているのが面白いですね。人気機種ではなかったものの、結果的に時代の空気を映すようなモデルだったのかもしれません。

  3. @GMT-Master10
    スモセコにしては大柄なケースも気に入っているポイントの一つです^⁠_⁠^

    @モントーヤ
    各社スモセコムーブメントが余っていた状況だったのでこの手法が有効だと判断したんでしょうね

  4. 小林180 小林180

    当時人気はなくても、現代ヴィンテージ市場では「亀戸最後の純正スモセコ」として一部マニアには熱狂的に支持されます。加えて、ユニークやローレルが諏訪からの譲渡生産だったのに対し、純粋亀戸製のエクストラフラットは「本物の亀戸感」を感じられる希少性がある。ここは普通の時計好きは知らないポイントですね。

  5. @小林180
    スモセコムーブメントは亀戸のお家芸でしたしね。
    スモセコは完全に熟成期に入ってましたから信頼性も高かったんですよねぇ。

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