
リコーダイナミックオート45j
日本における多石戦争の口火を切ったモデル。
マニアにはご存知の話だがリコーの腕時計事業は幻のブランドと称されるタカノを買収したことでスタート。
まずタカノの最高峰だったシャトーのデイト付き版リコーシャトーデイトを発売。
元々買収前のタカノが開発中だったものをリコーが発売したもの。
タカノ時代にすでに量産状態に入り発売を待つばかりと言う状態だった。
そのため文字盤に本来入るはずだったタカノの文字が消されたがリコーのブランド名を入れる時間がなくリューズにリコーのロゴマークであるRの文字が入るのみだった。
このシャトーデイトと同じくタカノ時代に開発が進められていたのがタカノシャトーオートであった。
手巻きのシャトー型ムーブメントに自動巻用のローターを建て増しする形で自動巻化している。
こちらもデイト同様急遽発売することになったのかリコーの文字はなくリコーのロゴマークがとって付けたように植字されている。
正直発売当時は流行に乗って発売された可もなく不可もない大衆向けの自動巻だったが他社の自動巻が30石以上のルビーをムーブメントに付けて高級化し始めたのでダイナミックオートもじわじわと多石化していき33石まで増加。
ここまではなんとか石をちゃんとした理由で搭載していたが突如45石まで増やしたモデルを発売。
33石をベースにローターに12石搭載したモデルだがローターの石はほとんど効果がない飾り石になっている。
無駄に価格が上がるだけである。
この段階でセイコーが39石
シチズンが43石が最多石数だったがリコーが国内最多の石数の腕時計となった。
しかしこれに反応したのが伏兵オリエント。
グランプリオリエント64石を発売。
更にとどめとばかりにグランプリ100石が登場。
リコーは追従せずオリエントが国内最多石数となり、コレは未だに破られていない。
リコーが45石を出さなかったらもしかすると多石戦争なんて起こらなかったかもしれない。
まさに火付け役である。
ちなみに海外に目を向けるとラドーゴールデンホース50石
ウォルサム100石
オレオール120石が存在。
実際本当にその石数が入っているのか怪しくなる感じw
コメント
全体的に、リコーがなくても多石戦争は起きていたかもしれないけど、あの45石がなければ確実に展開は変わっていた…まさに日本腕時計界の転換点!
@雅Miyabi
いかにあの小さなムーブメントにルビーを入れられるかと言う今じゃ絶対無理なブームでしたねw
ある意味熱い時代でしたw
なるほど、これは腕時計マニアにはたまらない裏話ですね!
@伊藤1220
変なブームでしたw無駄に価格が上がるだけなんですけどねw