Q&Q初号機
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Q&Q初号機

シチズンのデュフュージョンブランドQ&Qは1976年シチズンの子会社、日本CBMにより展開された。
低価格、高品質をコンセプトに万人に向けたラインナップを用意。
低価格はともかく正直高品質は微妙w
初期のムーブメントはピンレバー脱進機の手巻きムーブメントで構造が単純で精度も悪い
ケースも安価な亜鉛合金を採用とあまり良いものではなかった。
今回紹介するモデルは1976年に発売されたまさにQ&Q初号機
ここからQ&Qの歴史が始まる。
ちなみに現在、世界中にムーブメント供給しているシチズンミヨタは本来Q&Qのムーブメントを作るために作られたメーカーだったが初期のQ&Qには間に合わず。
代わりに採用されたのはシチズンとアメリカブローバの合弁会社シチズンエレクトロニクス(シチズン電子)の子会社プレミアプレシジョン社
香港の企業である。
しかし自社で開発する技術はなく基本他社が製作したパーツを組み立てるだけの会社。
プレミアプレシジョンにパーツを供給したのは浜沢工業株式会社と言うメーカーなのだがこのメーカー、セイコーエプソンどの関係が深く1986年にセイコーエプソンに買収され最終的に吸収される事になる。
面白いのはこの買収成立時もプレミアプレシジョンにパーツを供給しており、わずかな期間であるがセイコーエプソン(セイコーと資本関係は実はない)の子会社とプレミアプレシジョン(シチズン関連会社の子会社)の夢のコラボが実現しているw
脇道にそれまくったがこの初号機はピンレバームーブメント搭載機は精度が悪いため針を太くして時間を分かりづらくすると言う誤魔化⋯ではなくデザインをするのが世界的に流行していた中でやたら細い針を採用した珍しい例である。
この初号機の後に同じムーブメントを採用して様々なモデルを発売した他、低年齢層向けにアニメやマンガとタイアップしたモデルを多数発売。
こちらはなかなかのヒットを飛ばした。
ちなみにQ&Qの為に作られたミヨタは1970年代後半からクォーツムーブメントを供給、現在は全モデルミヨタムーブメントになっている。
プレミアプレシジョンは現存していないようだが親会社のシチズンエレクトロニクスは今もLED製造などを行い現役バリバリだったりする。
Q&Qを展開した日本CBMは2009年にシチズン本社に吸収合併され現在はQ&Q事業部と言う部署になり今もQ&Qブランドの時計を展開し続けている。
様々な関連会社を巻き込みながら積み重ねてきたQ&Qの歴史は面白い!

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コメント

  1. バイマ299 バイマ299

    はじめまして。
    Q&Qって「安くてそこそこ」というイメージでしたけど、裏側にこんな複雑な企業の関係やムーブメント供給の歴史があったのは驚きです。初号機がピンレバー+亜鉛合金ケースって聞くと正直チープですが、そこからミヨタ誕生に繋がったり、セイコーエプソンとの“偶然のコラボ”があったりと、ただの低価格ブランドに収まらないドラマを感じますね。

  2. @バイマ299
    全ての腕時計ブランドに様々なドラマがあるんですよねぇ。
    たとえ粗悪なものしか作れない中国ブランド(全てではない)や無名のブランドでも。
    だから腕時計は面白いんですよね^⁠_⁠^

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